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自尊心を理解してよいチーム作りをする 1 (アレンジ、ミックス表付き)

2024/07/02 by 泉川貴広

ピアニストとして生活して18年、主にミュージシャンや音楽関係の会社に向けて仕事をしてきた。


しかしここ2−3年で、自分のグループや音楽理論サブスクのMubo、SNS、レコーディングスタジオ、プロデュース、会社設立などで音楽関係以外の人に向けた動きが増えてきた。すると今までと全く違う感覚や壁にぶつかることが増えた。それは


”人の気持ちがわからない”


ということだ。


SNSでは僕への誹謗中傷や否定で溢れ、仕事で関わる人は突然怒り出し、落ち込み、やる気をなくし、時には泣き出す。信頼していた人は突然豹変し、足をひっぱり、貶め、騙してくる。僕はなぜ人がこんな反応をしだしたのか全く検討もつかなかった。


色々話を聞いていくと、これは全く普通のことらしい。特に、他人からの攻撃は有名になればなるほど被害は増えるらしく、


『しかたないよね、あはは』


とみんな笑っている。顔と個人情報を晒しているだけの僕でこれだけの被害なのだから、有名人の被害は想像を絶するだろう。みんなは納得しているようだったが、僕には全く理解できなかったので色々勉強してみた。


そして一つの仮説をたてた。それは、この一見関係のない全ての反応は


”自尊心が傷つく”


ことからくるのではないか?ということ。そして自尊心を理解することで、一緒に働く人たちやチームのモチベーションも高く保てて、さらに自分自身の生産性もあがるのではないか。


自尊心とは


まず自尊心ってなんだ。素人の僕が本で色々調べてみると、自尊心=他人の評価であり、人間が生存するために本能としてもっている警報器である。本能は旧石器時代を生き残るために無意識でとる行動だが、脳は現代社会を認識できないので、現代の環境では間違えた行動をたくさんとってしまうということのようだ。


簡単にいうと自尊心の戦略の前提は


”群れの中で自分が無能だと思われると死ぬ”


というもの。自尊心は自分が無能だと思われないように自動で行動する装置ということか。現代は別に他人に無能と思われても死なないので、自尊心の不安のエネルギーを使って実際の能力をコツコツ高めるのが一番だと思うが、それは大変なので、有能な人の足をひっぱる、自分がすごいと思われるように振る舞う、嘘をつく、などが楽でコスパが高いらしい。


つまり結論を先にいうと僕の状況の場合、現代では間違った戦略である”自尊心”の反応をコントロールすることはNYの第一線の音楽シーンでは必須だが、自尊心をコントロール出来ない、またはする必要に迫られていない状況の人達と関わるようになって、色々な問題が起きているのではないかと仮定する。


さらに後で出てくるが、”ルールがあれば自尊心は傷つかない”というのもある。


よりよいクオリティのものを作るために、それぞれのコミュニティの”暗黙の了解”があるが(例; 先輩後輩の力関係など)、僕の場合は、システムが機能しないコミュニティの外の仕事が広がってきた、というのもあるだろう。


たまに仕事でミュージシャンコミュニティの外のアーティストと絡むと、音楽のクオリティがどうでもよくなるくらいにものすごく大変なのも、ルールが違うからちょっとしたことで相手の自尊心が傷ついてしまうからかもしれない。


例えばサッカーのワールドカップの決勝で、監督が選手に怒鳴るたびに選手が


『ぁあ、怒鳴られた、きっとみんな俺のことを無能だと思ったはずだ、どうしよう、生命の危険だ、よし、今すぐ試合を止めて言い訳しよう、そしてついでだから有能なアイツのせいにしてより俺の地位を盤石なものに、、、』


なんてことをしてたら試合にならないだろう。監督は選手を否定するために怒っているのではなく、チームが世界一になるために自分の責任を果たすべく怒鳴っているのだ。しかし実際にはこれレベルのことがたくさん起こっている。やはりいいものを作るのにルールは必要だ。ルールの作り方はあとでまとめる。


偉い人の研究では、どんなチームでも、一定以上の能力の人のみが集まらなくては効果が発揮できないとされている。能力は、”頭がいい”でも、”音楽ができる”でも、”絵が上手い”でも”目がいい”でもなんでもいいが、目的にあった優れた能力を持っている人だけを集めなければいけない。そこにさらに多様性が加わると革新的なものが生まれる可能性が上がるらしいのだが、だから大企業は能力のあるものを集めるし、NYの音楽シーンは素晴らしいスキルがあり自尊心のコントロール能力もあるミュージシャンのみで仕事を回すのだろうが、それもよいが、それだけでは限界がある。(特に僕のように個人でやる場合は)全ての能力が高い人のみを集めるにはコストもかかるしフットワークもなかなか重くなる。


そこで、今回は、自尊心について勉強し、相手の自尊心を傷つけずに、違う常識の人達とも深くコミュニュケーションをとる方法を考えてみる。そうすれば、今のコミュニティの外で関われる人も増え、もっと色々なチャレンジができるのではないか。


さすがにSNSで暴言を浴びせ、否定してくるレベルの人と関わりたいとは思わないが、その人達の心の動きを理解すれば、もっと簡単にスルーできて自分の生産性もあがるし、リーダーとしては、一緒に働く人(特に後輩)やスタッフのモチベーションももっと保てるだろう。


チームメンバーへのフォロー


特に僕の会社を手伝ってくれる人達は20代前半がほとんどだ。デザイン、マーケティング、写真、動画作成など、みんな素晴らしい一芸があり、人もよく、モチベーションも高いが、やはり自尊心のコントロールは苦手なのかなと感じる。成功体験も少ないし自信が持てないのは当たり前だろう。


デザインや動画、マーケティング戦略など、みんな自分がベストだと思うものを出してくれるが、やはり全てを


『お、さすが!完璧だね!これでいこう!』


ということは出来ない。試行錯誤して、たまにはその人が全身全霊で作ったものを否定しなくてはいけないこともある。その時に、相手の自尊心を傷つけずにゴールを妥協せずに頑張り続ける方法を考えてみる。そこは一足先に社会に出た僕が(18年も経ったのか)しっかりとフォローしてあげたい。いつの間にかしっかりしなくてはいけないポジションになったのか、、、。


では詳しく勉強してきたことをまとめる。さっきも触れたが話し合いで悪い結果が出るのを避ける、科学的な答えは


”能力が低いものを排除すること”


目標に対して一定水準以上の能力を持つもののみで”多様性がある”チーム作りをすることが必須だ。意思決定の質が高い順に並べると


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