ミックスを学んでいるうちにトランジェントという謎の言葉が現れた。
トランジェントは音の輪郭を作り聞く人にとって楽器の特性を捉える大事な成分のようだ。
ある人は、トランジェントとは楽器が発音する瞬間、アタックとほぼ同じタイミングで発生しているものでノイズのようなもの。音程がなく、一瞬だけ発音するもの。
ピックが当たるカツッという音や指と触れる音だったり、弦と弓が擦れる音だったりする。
といい、
ある人はトランジェントとはアタック、ディケイ、サスティーン、リリース(ADSR)の4つの音成分によって作られた時間的変化のことだ。という。
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ADSRは音の構成の基本で、シンセサイザーではこれを使って音作りをしていくがこれがトランジェントなのか?
意味がわからないが、とりあえずトランジェントとは概念的に音の輪郭、特性、生々しさを決める、音の始まりに聞こえるごく短い音だと捉えておく。
トランジェントが大きすぎると耳に痛く聞こえるし、小さすぎるとぼやっとした音に聞こえる
最近のデジタル録音はこのトランジェント音が綺麗に大きく録れ過ぎてしまうので、この音を調整しなくてはいけないようだ。
そのためのエフェクターもあるがマイクを近づけすぎるとトランジェントが大きくなってしまうので注意。
エンジニアにもよるがドラムの場合、近いマイクは指三本分くらいから拳くらいの近さに調整している人が多い。
宅録など狭い場所での録音が多い昨今はトランジェント音の調整が必須かもしれない。マイクを離すと今度は部屋の響きが重要になってくるようだ。
僕も自宅スタジオを作ったが録音スペースはとても狭いので、将来は部屋の響きも調整してマイクを離して録音してみたい。
アナログの音が優しく良い音に聞こえるのはこのトランジェントの音が自然に抑えられるからという説もある。
トランジェントの音は空気を通るほど減衰するので、現実世界では近い音ほどトランジェントの音はよく聞こえる。
なのでトランジェントの音量を調節して楽器ごとの距離感をミックスで表現することができる。
大きいと近く、小さいと遠く感じるということか。
ベースを前にしたければベースのトランジェントを大きく、ピアノを後ろにしたければピアノのトランジェントを下げる、といったかんじだろうか。
ライン録音はトランジェントが多すぎるので、トランジェントを弱めるエフェクトをするとよい。アンプシュミレーターを使う場合はその前の原音にかける。
トランジェントの構成
一つの音を立ち上がりから減衰までわけて捉えることで、ミックス時の音の理解がしやすいらしい。(ADSR)
前回”EQの基本”でよく使うEQの帯域をまとめたが、音の構成を理解するとEQの丸暗記が必要なくなるとのこと。