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自尊心を理解してよいチーム作りをする 2 (なぜヒトはそんな反応をするのか)

2024/07/09 by 泉川貴広

前回は自尊心について学び、ミュージシャンの視点から実践的な例をまとめた。今回は、じゃあなぜヒトがそのような反応(行動)をするのか、背景と本質について勉強したのでシェアする。本質を理解すれば応用が効くようになると信じたい。


研究によると、ヒトの本性(社会性)はいじめやパワハラだという。確かにサルのグループもそんな感じだった。


ヒトは最大150人の群れ、1500人の部族として生きてきた。その小さなコミュニティの中で、自分の序列を上げないと子孫を残せなかったため、競争が必要だった。


1. 目立ちすぎると反感を買い、追放されて死ぬ。

2. 目立たなすぎるとパートナーを得られず、死ぬ。


つまり、私たちの脳の戦略は「目立たずに目立つ」。小さなコミュニティの中でそこそこの地位を目指すように本能が働くようだ。


最も手っ取り早いのは噂話で相手を引き下げることだが、これは楽で効果的なので全員がこの戦略をとる。だから、「自分の噂を気にしつつ(コントロールしつつ)人の噂を流す」ことが大事。これがコミュ力と呼ばれる。


ヒトの脳はこの高度な駆け引きに対応するために高い知能に進化したと言われている。何も自分で考えず、ただその時の気分と脳の反応だけで生きている人は、いまだにこの戦略で動いているということかもしれない。


赤ちゃんにも不安にならず自分一人で寝ることができるようにトレーニングをするように、大人になってもスケジュールの立て方などで自分をコントロールする工夫や練習が必要だと感じた。


集団生活の問題点

小さなコミュニティを維持する時に問題になるのが、誰かがズルをすることだ。これは強く排除されるよう本能にプログラムされている。脳はルール違反をしたものを罰すると報酬系が活性化し、大きな快楽を得られるシステムになっている。


生き物は苦痛を避け快楽を求めるので、正義を快感にしておくことで集団はズルする個体を自動的に排除できる。ヒトの本能は個人の幸せではなく、種の保存が目的なのだ。つまり、ヒトという種を保存するために集団生活の維持が必要だったのかもしれない。


本によっては、生き物が環境に適応するように進化する確率は限りなくゼロに近く、たまたま環境に適応する性質を持った種が結果的に残ったとするものもある。例えば、キリンは環境に対応して首を伸ばしたのではなく、もともと首が長いものだけが生き残ったという説だ。どちらにしろ、僕らの脳は今も最大150の集団生活を維持し、その中でそこそこの地位を維持するように指令を出しているようだ。


せっかく僕らには認知能力があり、現代の情報を認知して行動を変えられるのだから、脳の奴隷になるのではなく、自分自身の目的をはっきりさせ、現代の状況にあった自分の幸せのために行動したい。


脳の働き

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