
今日は何もできなかった、と思う日がある。というか、しょっちゅうある。
朝起きて、やることリストを見て、気合を入れて、結局半分もできなくて、夜になって「俺は何をやっていたんだ」と落ち込む。練習も中途半端、ライブの準備も途中、メールの返信もまだ、SNSも何もアップしていない。
この「できなかった」を数える癖が、正直かなりモチベーションを奪っていた。
最近、全部の時間をスケジュール化してみた。何時から何時まで何をやるか全部決めて、実際にやった結果をデータとして残す。
そしたら面白いことが分かった。
僕が立てていた「今日やること」は、物理的に24時間では不可能な量だった。
いや、薄々気づいてはいたんだけど、データで見せられると絶対に無理だということが明確になる。朝の作業に3時間、その後の休憩に1時間、制作に4時間、レッスンコンテンツ作成に3時間、SNSに1時間、事務作業に2時間。足し算するだけで14時間。これに食事とか移動とか入れたら、もう寝る時間がない。
「できなかった」んじゃなくて、最初から無理だったのだ。
直感は正しい時ももちろんたくさんあるが、実際にうまくいっているのか、いないのか。このままでいいのか、今すぐ何か改善するべきなのかは意外と把握していないことも多い。
最近めちゃくちゃ頑張ってるなーと思っていても実は全然進んでなかったり、逆に全然頑張れてないと思っていても実は結構調子良くできてたりする。
Muboで、会員さんから「自信がなくなった時どうしていますか」という質問をもらったことがある。自分より上手い人がいて、落ち込んで、練習するモチベーションがなくなってしまう。という内容だった。
その時に話したことの一つが、「やったことを数える」ということだった。
僕たちは「今日はこれができなかった」「もっとやれたはずなのに」と、できなかったことに目を向けて落ち込む。でも実際にやったことを書き出してみると、意外と多いのだ。
練習30分、スケール一通り、新しいボイシング3つ試した、曲を1回通した。etc..。
これは精神論じゃなくて、実際にデータを見られるかどうかの問題だと思う。感覚だけだと「できなかった」の方が印象に残る。人間の脳は否定的な情報の方を強く記憶するようにできているらしい。でも書き出してみると、実は意外とやっている。
それはそうだ。 "ライオンは出ないでしょ" と思う人より、"ライオンが出るかもしれない" と思う人の方が生存率は高かっただろう。僕らが否定的・悲観的なものを過大評価するのも納得だ。
最近「ルーティンがすごくうまくいくのは、考える力を使わないからだ」と思い始めた。考えなくても毎日これやる、これやったらこれやる、が決まっているから習慣化する。頭では知っていたけど、実際に体感して初めて分かった。
練習もたぶん同じだ。「今日は何を練習しようか」と毎回考えるところからスタートすると、それだけでエネルギーを使う。決めておけば、考えなくていい。考えなくていいから続く。
最近流行りの方法で、「バッチ処理」なんてものもある。撮影は撮影の日にまとめてやる。編集は編集の日にまとめてやる。Googleドライブにストックを溜めておいて、投稿は予約しておく。
僕は正直この "まとめてやる" ことに関してはあまりまだしっくりきていない。もっと上手くやれば効果が実感できるのだろうか。
まぁこれも同じ話で、要するに「今日何をやったか」を可視化する仕組みがあるかどうかということだろう。
バッチ処理をやっている人は、一日の終わりに「今日は撮影5本やった」と数えられる。やったことが目に見えるから「今日は何もできなかった」にならない。
一人で練習している時も同じだと思う。
有料コンテンツの鬼練習の動画を繰り返し見ている人がMuboにもたくさんいるけど、たぶんあの人たちは動画を「一緒に練習する相手」として使っている。一人だと甘えてしまうから、動画を再生して、それに合わせて弾く。動画が終わったら「1セット終わった」と数えられる。
マラソンで前を走ってくれるペースメーカーのものだろうか。基準があるから、自分のペースが分かる。